つるとかめと仮定する

ふらふらした雑記

小雪主演映画「わたし出すわ」で鈴木亮平を探してみませんか?【ネタバレあり】

Amazonビデオで最初に観た映画がこれです。ずっと気になってたんです。

わたし出すわ

 

わたし出すわ」あらすじ

東京から故郷へと戻ってきた山吹摩耶(小雪)。ある日市電に乗った摩耶は、高校時代の同級生・保と再開する。学生時代からの夢を語る保に、摩耶は資金提供を持ちかけ、後日、保の元に大金と夢を実現するための資料を届ける。

わたし出すわ - Wikipedia

 

劇中で主人公の摩耶は北海道に住む同級生5人にどんどんどんどん資金提供していきます。同級生たちは急に大金を手にすることになるんですが、これによって当人やその周りの人の日常が、良くも悪くも変化していくわけですね。

これの宣伝で小雪がTV番組に出てたのを覚えてます。公式サイトを見てきたのですが、2011年の公開当時はCM打ってなかったようですね。

 

この映画の見どころ

2回出てきます。すぐ見つかります。変態仮面や俺物語での扱いからは想像できない映り方に、最初は本人とは気づきませんでした。順調にサクセスしてますね。鈴木亮平大好きです。

HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス

 

あともう一人、意外な女優さんも登場します。これは公式サイトにも出演者名が載ってるのですが、WMMMOです(たしは知のままたのでちゃくちゃきました)さて、誰でしょう?

 

あともう一つの見どころというかなんというか。

  • やんわりとしたラスト

全体的な結果でハッピーエンドとは言えないかもしれないです。局所的に見ればハッピーになった人もいます。やんわりとした結末なので、こないだの婚前特急みたいにはっきりとした結果を求める方はきっともやもやする。

bequiet-screamnow.hateblo.jp

 

ここからはネタバレありです!注意。

 映画を観てからしばらく経っているので、話の流れを正確にまとめる自信がありません。主に箇条書きで述べています。

今回の登場人物たちは最終的に幸せになったり不幸になったりするのですが、その差がめちゃくちゃ激しくて最悪犯罪を犯したり殺されたりします。今回無事でいられた人の共通点は「無欲」です。金に踊らされては行けないのです。これが映画を観て得た教訓。

 

小雪の行動の謎

まずは主人公の小雪、なかなかの謎多き女です。序盤、引越業者に一人10万円ずつお駄賃を渡す姿に圧倒されます。彼女がする資金提供は完全に自分主導のものであり、全く見返りを求めていません。観ていておそらく皆が思う疑問はこの2つ。

  • なんでこんなにお金持ちなのか
  • なんで同級生にここまで資金提供するのか

資金源についてははっきりと言及しないのですが、節々でなんとなく明らかになります。資金提供の理由はざっくり「恩返し」です。何に恩義を感じているのか?これも徐々にわかります。

あとはこの話の合間にちょくちょく流れる「ゴールドバー(金塊)事件」。これの犯人も後々わかります。

 

主人公から資金提供を受ける同級生5人

彼らは集まって飲むような仲で、当初小雪はみんなを集めようとしていましたが、その日はそのうち都合のついた一人、保と2人で飲むことに。彼は小雪の母が重病で入院していることを心配していました。

  • 市電の運転手・保→奥さんにお金を使い込まれる

学生時代からの路面電車オタクで、現在は市電の運転手をしています。いつか世界の路面電車を巡ってみたいという思いがありますが、資金の工面が到底出来ず、もはや語るだけの夢。

自宅に届けられた資金と資料に最初は戸惑いつつも、小雪の説得を受け、これを受け取ることにしました。出発準備が整うまでは大事に寝かしておくつもりだったのですが、なんと奥さんがそれをホストにまるまるつぎ込んでしまったんですね。しかも消費者金融で借金までしてやがる。

この奥さん、最初は届けられたお金を不審に思って小雪に直接会って真意を聞いたりしてたので、最初はまあまあまともな人間だと思ったのですが、残念です。それに対して保はそこまで浮かれることなく、至って淡々としてました。帰国後の成果報告を会社と約束していたこともあり、資金が使い込まれたのはかなりの痛手。小雪から再度資金提供を提案されますがそれを断り、最終的には自力で資金を貯めて旅に出るのでした。

 

  • 故障中のマラソンランナー・孝→渡米して治療。再活躍

この人は生まれつき強靭な心臓を持つらしく、長距離ランナーとして地元のスターだったようです。ところが反動で脚を故障してしまったことで選手生命の危機にありました。それも小雪から資金援助を受けて海外で治療を受け、かつての爆速を取り戻しました。彼も先ほどの路面電車男のように淡々としてましたね。淡々とするのが大事です。

彼のお母さんがまあ優しい人で、小雪は学生時代からよくこの家で晩御飯をごちそうになっていたようです。お母さんが趣味で株の売買をしているとを聞いた小雪は、なかなかプロめいた助言をするのです。ここを観ると「もしかして資金源は株の儲けなのかも」と思えてきます。

 

  • 諸外国が狙う研究者・満→お金貰ったけど使わず。

養魚試験場で働くチャラ男の満。その研究内容は有益ながらも国の漁業水域の在り方を揺るがす内容で、興味をもった外国人が彼を引き抜きに来たりします。様子を見に来た小雪にも「あーあーこーれはヤバい研究だな大丈夫かなこいつ(とは言ってません)って思われて忠告されるレベル。語学レッスンのていで彼の下に派遣された、いかにもスパイ風の中国美女を小雪が間一髪で追い返したことでなんとか助かり、満は自分の研究のヤバさに改めて気づきました。最後には、小雪から提供されていた研究資金をもう使わないと宣言。転職先はかつて小雪がランナーのお母さんに、有望株として紹介していた東京の企業でした。やはり小雪の資金源は株の線が濃厚です。

 

  • ペットの犬と夫を愛する主婦・さくら→夫の夢を叶えるためにお金を使う。

この話で2番めに無欲なのが彼女。彼女も1番金に無欲な小雪から資金提供を受けるのですが、自分は家の冷蔵庫(一万円)を買ってもらい、あとは夫の趣味・箱庭の協会長の権利購入費に当てました。なんとも優しい妻。もしわたしが旦那にこういう買い物するって言われても納得できないわ。

この夫は普段消費者金融に勤めていて、前述した路面電車男の奥さんが借金地獄になっていることを劇中で明らかにした人物です。

終盤でさくらは、もうすぐ東京に戻る小雪へ、自分が巷で話題のゴールドバー事件の犯人だと打ち明けます。偶然手にした宝くじで高額当選したものの、破滅の予感がした彼女はそれを金塊にして日々のお散歩コースの家に適当にポストインしたそうです。やはり無欲に生きるべきなのだ。

 

  • ホステスから社長夫人に成り上がったバブリーな女・サキ→殺される。

もう最初から危うかったもんな。校内の美人コンテストで2位だったサキは周囲の目を気にした上で、1位だった小雪と親しくなりました。上昇志向が強く、地元で玉の輿に乗った後は社会還元を惜しまず名声も手にしました。しかし横領疑惑を抱えたまま夫が急死し、地位も名誉も失った後はホステスに逆戻りしてしまいます。小雪と再会したときはむしろ小雪にドレスを買ってやるくらいの気前の良さでした。失脚後は、母が入院する病院へ向かう小雪を車で追いかけ回して金を借りに行く勢い。

再起するために渡された金塊でしたが、速攻換金して結局昔みたいにドレス買っちゃったりしてお金の使い方下手くそだなこいつっていう印象が拭えません。接客した外資系企業の支社長に対し2度目の玉の輿を狙うサキですが、電話を受けた小雪からは「外見上一致しないため別人では?」と指摘されます(ここらへんからも、小雪が日頃から企業研究に熱心だと伺えます)。小雪の忠告を無視したサキは翌朝、他殺体で見つかりました。

ちなみに小雪に無理やりあてがわれたドレスですが、直後に会いに来た路面電車男の奥さんの元に渡りました。最終的に破滅した人間同士、ドレスで繋がってたんですね。

終盤で明らかになりますが、サキを殺したのは怪しい支社長ではなく路面電車男の奥さんをたぶらかしたホストでした。その奥さんは小雪を逆恨みして、自宅に押しかけ殺そうとしますが、サキが換金した金塊を頼りに訪れた刑事にいい感じに取り押さえられ、連行されていきました。あまりにも小雪がラッキーすぎて、奥さんの破滅具合が際立つシーンでした。

 

小雪はなぜ資金援助するのか?

終盤でチャラ研究者に明かすのですが、小雪は自分が学生時代に受けたこの同級生5人からの声掛けに恩義を感じていたようです。これが彼らへの、見返りを求めない資金援助をする理由だったのです。

高校時代、路面電車男は一人でいた小雪に声をかけてくれました。ランナーは「嫌なことあったら走って忘れようぜ」と励ましてくれました。無欲なさくらは小雪に東京行きを勧めた張本人です。欲だらけのサキはライバル兼友達になってくれました。ただチャラ研究者が「おれ魚の気持ちわかる」という声掛けが小雪をどう救ったのかは謎。もしかして荒手のナンパだったのかな?

 

小雪は報われたのか?

ちょっと前述した話で、小雪の母は地元のいかにも高度医療をしそうな病院で意識が戻らぬまま入院していました。この入院費も小雪の謎の資金源から出てるんでしょうね。お見舞いが今回の帰省理由のようなのですが、小雪は滞在のために実家ではなくわざわざアパートを借りていました。もしかしたらこの母は昔からずっと入院していて、小雪にとっての唯一の家族なのかもしれません。そんな母が最後、奇跡的に意識を取り戻してくれます。このことが、一貫して無欲だった小雪に対するご褒美というか、小雪の行動を称える出来事のように思えました。

 

 

まとめ:これは金の話ではない。恩返しの話。

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最初はお金で転落していく人間の話だと思ってたのですが、これは思わぬ恩返しの話では?と考えています。何気ない行動小雪のお駄賃はともかく)が他人の幸運のきっかけとなり、その恩返しが新たな幸せを生むということかと。

冒頭の引越業者(この中に鈴木亮平がいます!)は、終盤の東京への引越作業のシーンで再登場します。彼はあのときのお駄賃で行ったタイ旅行のおかげで奥さんに出会い、なんだか仕事も順調で昇格できたと明かし、今回の費用は不要だと言って帰っていきました。このお礼により引越業者は、偶然ながらも幸運のきっかけになった小雪への恩返しをしているのですが、これは小雪が同級生5人に抱えた感謝の思い・それに対する恩返しと同じ構図だなと思えます。

いい話じゃないか。細かいことはもやもやするけどな。あとなんだか北海道に行きたくなってくる映画です。

 

わたし出すわ

わたし出すわ

 

 

わたし出すわ」は、Amazonビデオで観られます。ぜひどうぞ。

bequiet-screamnow.hateblo.jp

では!